幼稚園とひと括りに言っても、その中身は実に様々です。
どんな子供にしたいか、もっと言えばどんな大人にしたいかというのが、実はこの幼稚園選びに密に関わっているんです。こんなはずじゃなかったとならないために、幼稚園選びのポイントを解説します。
ちょっと長い記事ですが幼稚園選びを真剣に悩んでる方にまじめに書いてますので、ぜひ読み進めていってくださるとうれしいです。
幼稚園は教育機関
こんにちは、たか子です。
朝晩冷え込むようになる10月。この時期は来年度から幼稚園に入園するお子さんをお持ちの方は願書を出したり幼稚園グッズの準備をするなど、何かと忙しい時期になりますね。
まずは幼稚園について簡単に説明いたします。
幼稚園とは
満3歳から小学校就学までの幼児を教育し、年齢に相応しい適切な環境を整え、心身の発達を助長するための教育施設。
引用:wikipedia
幼稚園は教育施設です。保育園との一番の違いはここですよね。
保育園は仕事や病気や介護などの理由で家庭で保育が出来ない親の為に、家庭に変わって子供を保育する場所です。子供が幼いころから両親が共働きの家庭は保育園に預けているのがほとんどだと思います。
今は認定こども園も多いですから、共働きの家庭でも選択肢が増えましたね。
幼稚園というのは教育施設です。ただ、昼間に子供を預かってもらう場所ではないんですよね。
字や計算、英語に力を入れている園もあります。反対に子供をのびのびさせる方針の自由保育の園もあります。教育方針は幼稚園によって多種多様です。
幼児期の多くを過ごす幼稚園ですから、幼稚園選びはその後の子供の発達に大きく関わってきます。
幼稚園選びは重要な教育選びなんです。
ですから、親がどんな教育をしたいかによって幼稚園は選ぶべきなんです。
家のすぐ近くの幼稚園しか行けないなどいろいろ事情もあると思いますが、自由に園を選べる状況ならば慎重に選ぶ必要があります。
その人気の幼稚園は本当にいい幼稚園ですか?
どこの地域にも人気の幼稚園があると思います。人気のあまり、泊り込みで並ばないと入園願書をらえない園もありますよね。
そういう幼稚がなぜ人気なのか、その理由はわかりますか?
いろいろ人気の理由はあると思いますが、人気の理由が分からないなんて方も実は多いと思います。人気だからという理由で園を選んでいる場合です。
そこの幼稚園が自分の教育方針に合っている場合なら問題ないのですが、
「あの園は人気があるから、うちの子もそこに入れたら自慢できる」
「人気なんだからいい幼稚園に決まってる」
「ママ友と一緒の園に入れる約束をした」
こんな理由で幼稚園を選ぶことはとても危険です。
幼稚園は子供の多感な幼児期の多くの時間を過ごす場所ですから、しっかり自分の目で見て納得して選ぶべきです。
安易な気持ちで入れると「こんなはずじゃなかった!」と後悔することになりますよ。
どんな幼稚園に入れたらいいのか?
では、数多くある幼稚園の中からどの幼稚園を選んだらいいのか?ということですが、まずは、親がさせたいことではなく、自分の子供にどんな人間になってほしいのかを考えてみましょう。
子供は親の操り人形じゃない
私たち大人は自身の経験から子供にもっと勉強させたい、小さいうちからいろんな習い事をさせて身に付けさせたいと思うものです。そう思うことは私にもあります。
- 小さいうちからもっと勉強していればもっといい大学に行けたかもしれない。
- もっといい職につけたかもしれない。
- 小さいころに何か習い事をしていたらその道のプロになれたかもしれない。
だから子供にはいろんなことを小さいうちからやらせてあげたい。いろいろな経験をさせてあげて、あらゆる可能性を探っていきたい。
そう思うのは、親としては当然の心理です。
でもね、子供は親の分身ではなく親とは全く別物のひとりの人間なんですよ。
幼稚園に入園する子供は3~5歳が多いですね、まだ生まれてから長くてもせいぜい5年程度。このくらいの子供に一番必要なのは知識を頭に詰め込むことでしょうか?
もっと大切なことがあるのではないでしょうか?このことを少し掘り下げて考えてみましょう。
人はひとりひとつの鞄を持っている
私たち人間は全員生まれたときから人生の旅が始まります。旅には鞄(かばん)が必要ですね。
生まれたばかりの赤ちゃんの持っている鞄はまだ小さくてかわいらしい巾着袋。ここに言葉や見たことをどんどん詰め込んで行きます。
この鞄は愛情や経験によって少しずつ大きくなっていきます。幼少期までは鞄がぐんぐん成長する時期です。
3・4歳になり幼稚園に入園するころになると巾着だった鞄が、きっとポシェットくらいになってます。
さて、この鞄に計算や字を教え込んだり習い事などをして無理矢理知識を詰め込むとどうなるでしょう?
みるみるうちに鞄は膨れ上がり、小学校に上がるころにはいっぱいになってついには破けてしまいます。そうすると、そのあとから必要なときに知識を詰めたくなっても、穴からどんどん出ていってしまい、入れたいものが入らない鞄になってしまいます。一度できた穴は修復できたとしてもとても脆いものです。
一方、同じ幼少期にたっぷり遊んで、まわりからの愛情を沢山受けて育った子供の鞄はどうでしょう。小学校に上がるころには丈夫な帆布のトートバッグくらいになってます。
学校に行くようになって次々に新しい知識を詰め込むことになっても余裕で入ります。
愛情は鞄の素材。経験は大きさになります。
幼少期には鞄に沢山のモノ(知識)を詰めるのではなく、鞄(心・精神)を丈夫に大きくすることが重要なんです。
また、鞄に入れるのは知識だけではありません。小さくて薄っぺらい鞄の子供は、自分のことでいっぱいで他者を理解することに欠けます。幼少期に親や周りの大人の愛情を受けて肯定されて育った子供は、他者をも受け入れられるほどに余裕のある鞄を持つことができます。
[label title=’Check!’ color=’#f38181′ icon=’icon-ok’ text=’親の接し方で子供は変わります’ class=”]
親は子供の心の安全基地となれ。子供の自立に不可欠なセキュアベースを考える。
どんな大人になるのか
さて先ほどの穴の開いた鞄の子供と丈夫な帆布のトートバッグを持った子供は、それぞれどんな大人になるでしょうか。
帆布のトートバッグを持っていた子供は、30歳になると丈夫で大きいボストンバッグを持っていることでしょう。結婚して子供もいるかもしれませんね。人望があり周りから愛され、仕事も家庭も順調なことでしょう。将来も有望です。
穴の開いた鞄の子供はというと、同じ30歳でも持っているのは穴を繕った跡のある今にも破れそうなナイロン製の小さめのボストンバッグ。
打たれ弱く仕事は長続きせず定職に就けない。他者を受け入れられないからいつもひとりで頼れる友人も恋人もいない。自分の話を聞いてくれるのはいつだって親だけ。自活する能力がないからずっと実家暮らし。
これはちょっと極端な例かもしれませんが、幼少期の親の接し方や幼稚園の方針によって子供の将来が大きく変わることは決して大げさではありません。
幼稚園の種類
ここでは保育園は含まず幼稚園だけの話になりますが、幼稚園には主に3つの種類の幼稚園があります。
[capbox title=”幼稚園3つのタイプ” titleicon=’icon-heart’ titlepattern=2 bdstyle=4 bdcolor=#66bfbf]
- 教育熱心な幼稚園。ある園では読み書きや英語に力を入れていて、なんと宿題まであるところも。とても人気で願書をもらうのが大変です。ここの幼稚園の親御さんはなぜかちょっと自慢げです。
- ひとつ目の幼稚園とは正反対の自由保育の幼稚園。子供は先生に言われたことではなく自分たちのやりたいことを見つけて一日を過ごします。世間には早くからお勉強をさせたほうがいいと考える親の方が多いので、どちらかというと人気は少ないです。
- 前述のどちらでもなく教育熱心なわけではないがとりわけ自由でもなく、良くも悪くも普通の幼稚園です。幼稚園のほとんどはこの三つ目ですね。その中でも、お勉強寄り、自由保育寄りとありますね。
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私は子供と関わる仕事を以前していたのですが、いろんな幼稚園・保育園出身の子供が小学校に入るとどうなるかを見てきました。
すると、おもしろいくらいに人間性が分かれていることに気がつきました。もちろん家庭内での接し方によっても子供の行動はかわるのですが、「類は友を呼ぶ」というように、幼稚園にも似た物同士の親が集まってくるんですね。もちろん例外はありますが。
なので、出身幼稚園・保育園によって子供の特性が似かよっていることは簡単に想像が付きますね。
卒園後に差が出る!?
教育熱心な幼稚園出身の子供は、早くに読み書きを教えられたために字の読み書きは小学校に入った時点で出来ています。だからと言って他の子供が読み書きが出来ないかと聞かれればそうではありません。例えまだ読み書きの完璧でない子供もすぐに読み書きは習得します。
学校はそういったことを教える場なのですから当然と言えば当然です。
それから、絵本をよく読む家庭や幼稚園の子供は勉強をしなくても自然に字を習得していることが非常に多いです。自分から吸収して覚えるという、一番理想の形です。
[label title=’Check!’ color=’#f38181′ icon=’icon-ok’ text=” class=”]
絵本の読み聞かせは効果あり?本好きになる第一歩は絵本から
「字の読み書きができる」その程度のことは早くから始めたからと言って特段有利にはならないのです。最初のうちだけですね。また、今は英語も小学校の必須科目になってますから、幼稚園で焦ってやらせる必要もないです。
本当に英語を話したいと思う人は、自分で行動できる歳になってから自らちゃんと身に付けることができます。
差がでるのは学習面よりもどちらかと言うと生活面です。目先のことばかり詰め込まれてきた子供は、大して身になっていないお勉強ばかりで、人として当たり前の心や、常識、集団生活に適応する力が養われていません。
だから、小1プロブレムと言われるような問題が起こるのです。
お勉強は先走ってやらなくても習得出来るのだから、どうせなら勉強してた分を遊んでいたほうがよっぽど人生のためになります。
友達と遊んで、怪我して、けんかして、優しくされて、優しくして、許して、許される・・・そうやって心が大きくなっていくんです。
やれと言われたことだけをやるのではなく、自分で何をするか考え、さらに、つまづいたときにはどうすればいいのかを考え、自分で解決できないときには友達や周りの大人と一緒にどうしたらいいのか考える、それを幼少期にしっかり経験した子供がきちんと自立した大人になるんです。
では、どうやったらその経験ができるのかということですが、そこで重要なのが幼稚園選びなんですね。
幼稚園の選び方
どんな幼稚園を選んだらいいのか?ここまで読んでくださった方ならおのずと答えが見えてくるはずです。
それは子供の可能性を広げることのできる幼稚園です。それは、お勉強を沢山やらせる園ということでは全くありません。
子供を中心に置き、自主性を重んじる、子供が中心の、心を育てる幼稚園です。
これは、口コミだけでは分かりません。口コミももちろん大切ですが、特にネットだと個人の主観が入るのでそこだけを重視するのは危険です。口コミならば、複数の先輩ママ友などから実際に直接話を聞くのが効果的。
ホームページがあるなら見てみましょう。実際に見学に行くことも重要です。表面だけではなく、そこで生活している子供の顔もよく見てみましょう。
それから、見学に行った際に迎えに来ている保護者を見てみるのもとても参考になります。似たような考えの人が集まるわけですから、親を見れば子供がわかるし、幼稚園の方針も少なからず関わっています。
それから、園の雰囲気も重要ですよ。入ったときに心が落ち着くような、心がざわつかないこともポイントのひとつです。相性のひとつです。
それでも教育に重きを置く園にしたい
そんな考えの方はおそらくここまで読み進めていって下さってはいないと思いますが、私は決してその考えを否定は致しません。
ご自分の学歴に多大なるコンプレックスをお持ちの方や、医療を営んでいて将来絶対に良い大学にいれなくてはいけないなど、いろいろご事情があると思います。
ただ、ひとつ言えることは始めの方にも申しましたが、子供は親の分身でも親の持ち物でもありません。
「急がば回れ」です。ご自分の思う子供の将来像を思い浮かべたとき、それに一番近道なのが先ほど説明した幼稚園に子供を入れることなんです。
家庭内ももちろん重要ですが、多くの時間を過ごす幼稚園も子供の人格形成にとても関わっています。やるべきこと(勉強面でも生活面でも)をきちんと出来るようになるには、心を育てることが一番大切です。
心を育てる幼稚園の子供とは
実際にいろんな子供と接してきて感じたことは、心を育てる幼稚園で育った子供は本当に柔軟性に富んでいます。いろんな考えを受け入れて、良いことは自分に吸収できる力が育っています。いいことも悪いことも素直に受け入れられる子供が多いです。
自分がしっかりあるから無駄なことを考えないので勉強もすっと入ってくる。もし勉強ができない子供でも、人の気持ちをちゃんと分かる子供だから友達が集まってくる。集まってくるのはもちろん、同じく人を理解できる子供です。
人が集まってこない子供は、その子供たち同士で集まって、中学生になると非行という形で主張してくることが多いです。
また、経験からですが作文や絵などのコンテストに入賞する子供には子供中心の心を育てる幼稚園出身の子供の方が多い印象です。
たかが幼稚園、されど幼稚園
熱心に幼稚園選びをしているお母さんは、それだけ子供のことを考えているいいお母さんだと思います。子供に無関心なお母さんは、幼稚園なんてどこでもいいと考えることすらしませんからね^^;
自分本位の考えは一旦置いといてどうしたら子供にとって一番いい選択なのかを考えて、本当に子供の為になる幼稚園選びができるといいですね。
たかが幼稚園、されど幼稚園。
子供が大きくなったとき「自分の選択は間違ってなかったんだ」と思えるような幼稚園選びができるといいですね。
お役に立てたら幸いです。では、また^^♪
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