私は子供と接する仕事をしていましたが、本当にいろんな子供がいることに驚きました。
自分の子供も沢山いる個性的な子供のうちの一人なんだと改めて感じさせられる瞬間でした。
誰一人として同じ子供はいないですね。優しい子、意地悪な子、負けず嫌いの子・・・いろんな子供がいます。
その中で今回はズルをする子供にスポットを当ててお話したいと思います。
ズルをする子供
子供はみんな少なからずズルをすることがあります。
普段、賢くて優しい子供だとしてもずるしたことがない人はいないと思います。
逆に、生まれてから一度もズルしたことがない子供は別の問題があると思われます。
みんな少なからずズルをすることがありますが、ズルは度が過ぎると周りの反感を買いますね。
ズルが常習化している子供は家庭に何らかの問題があることがありますので、親の家での接し方などについて考えてみる必要があります。
では、ズルが常習化している子供はなぜそうなったのかを考えてみましょう。
ズルするということは
まず、子供がズルをする場面というのはどんな時でしょうか。
例えば・・・
- 遊びの中で自分に有利になるようにズルをする(自分が負けそうになったらいきなり独自ルールを作る等)
- 勉強で自分の有利になるようにズルをする(答えを見ながら宿題をやる等)
こういうズルは親である自分自身にも身の覚えがある方も多いのではないでしょうか。
ただ、勉強でズルをしても後で困るのは自分だけですが、遊びの中でズルをすると他の人が嫌な気持ちになりそのうち友達がいなくなってしまいます。
ズルの目的は極めて自分本位であり、最終的には周りの信用を失います。
つまり、ズルすることはその場しのぎであり、結局は何ひとつ自分のためにならないんですね。
そんなひとつも自分のためにならないようなことは、親としては子供にはやってもらいたくないですよね。
ズルする子供はどうしてズルする子供になってしまったのか
ズルをする子供の育った環境というのは、主に2種類です。
単純に「甘やかしすぎた」か「厳しすぎたか」です。両方が合わさってる複雑な場合もあります。
甘やかされて育った場合
必要以上に甘やかされて育った子供は、自分の弱い部分なんかを自分で認められないんですね。すぐに人や物のせいにしてしまう。
「人は誰でも成功することもあれば失敗することもある」ってことを教えてもらえなかったんでしょうね。
失敗する前に親や祖父母によって失敗を回避されてきたんでしょう。
だから、自分が失敗したり負けることが許せない。「負けるくらいならズルしてやる!」と単純に思うわけです。
また、甘やかす親は子供を甘えさせていないことも多いです。
甘えと甘やかしは別物です。
甘えというのはどんなときも子供を受け入れる心のことです。
親が子供のことを信頼してくれて、失敗も成功も受け入れてくれるから子供は安心することができます。
子供はその安心があるから、自分に起こったことを素直に受け入れられるのです。
甘やかす親は子供の言いなりになったり、欲しがるものを何でも買い与えたりと「甘やかすことが子供への愛情だ」と勘違いしています。
しかも厄介なのが、親はそのことを良かれと思ってやっているので、間違ったことをしていると自分では気づいていないことです。
もし、子供がズルする原因が甘やかしならば、今すぐに甘やかすことをやめないといけません。
親自身も自分の間違いを認めて、子供の考えを変えていかなくてはいけないです。
甘やかしが原因のズルは、人から嫌われるタイプのズルが多いですね。
ここで、私が実際に見た子供の話をしましょう。甘やかしが原因のずるい子供の話です。
歩いて帰らない子
普通は学校が終わると子供は歩いて家に帰りますね。
ところがある女の子は病気や習い事など特別な理由がないにも関わらず、毎日母親や祖父が車で学校近くまで迎えに来て、車で帰っていました。
学校に迎えにくるときは届けを出さなければいけないのですが、学校の近くに車で待っていれば届けを出さなくて済みます。
学校を出れば教師もいないので、何も言われません。
これは、ズルですね。。おそらく、真冬で寒いのでお迎えに来ているのでしょう。
完全に甘やかしですね。その子が歩いて帰るのは、春と秋だけです。1年中じゃないだけマシでしょうか・・・?
でも、この子と一緒に帰るはずの子供たちは当然彼女を快く思っていません。彼女が帰ったあとからブーイングの嵐。
陰口とも言うのでしょうが、これは致し方ないことですね。
陰口が良いと言っているのではなく、それは彼女がズルをした代償ということです。
実はこの子は私の娘の同級生で下校班が一緒です。
私の娘もまた「ズルい!ズルい!」と言います。
ですから、私は娘にこう言います。「彼女は毎日車で帰る代わりに、みんなの不信感を育ててるんだよ」と。
「自分がしたことは良いことも悪いことも必ず自分に返ってくるんだよ、だから別にずるくないんだよ」
彼女はズルの代償をきちんと得ているということです。
彼女のズルは私や子供がどうにかできるものではないですよね。
子供が周りに自分の納得できないことがあったら、ごまかしたり取り繕ったりしないで、私は正直に納得できるように説明してあげたいと思ってます。
私がそう説明したとき、娘は「そうだね」と納得してくれました。
それと、もうひとつ。私が学童保育で働いていたときのこと。
ある子供がこんなことを言ってきました。「Yはずるいんだよ雨の日は絶対に歩いてこないんだよ。みんな雨の中歩いてきているのに。」
これはさっきの話と反対で登校の話ですが、やってることは一緒ですね。
親や祖父母は良かれと思ってやってるけど、実はそれよりも大きな弊害があることに気付いていないんですね。
送迎していることが原因で、友達から悪く言われてるのを知ったらどう思うのでしょうか。車で送ってもらえたら子供は楽です。
でも、雨の中歩くというのはみんな同じ境遇ですよね。そこで、自分だけ楽しようなんて考えは、良い考えとは言えないですね。
そんな子供は忍耐力がつかないですね。
そういうことができる家庭というのは、家の中での生活も容易に想像できますね。
つらいときは逃げればいい、やりたくないことはやらなければいい。
これから先の人生を考えると、そういうことで子供を甘やかすことは結局は子供のためにならないことは冷静に考えれば分かることです。
こういった甘やかしが原因の「ズルい子」というのは、自分勝手でわがままな子供が非常に多いです。
というより、基本が自分本位ですから「ズルい・自分勝手・わがまま」がセットです。
親も早くから自分の間違いに気付き、子供に考えを改めさせないと、大人になったとき、友達がひとりもいないなんてことになりかねないです。
ズルいって言葉・・・
ところで少し話がずれますが、私はズルいという言葉が嫌いです。
子供はすぐ何かにつけてズルいといいます。何もズルくないことでも、すぐにズルいと言います。
本当にズルいと思ったことで「ずるい」と言うのはいいですが、口癖のようにずるいと言うのはどうなんでしょう。沢山の子供と接していると、すぐに「ずる~!」と言う子供の多いこと多いこと。
「何がずるいのよ(;´∀`)」といつも思ってました。
ノリで言っている部分もあるのでしょうが、ずるいという言葉は言われてうれしい言葉でもないのでなるべく使ってほしくないなと思っています。
我が家では「ずるい」と「めんどくさい」は基本使用禁止です^^;
厳しい家庭で育った場合
甘やかされて育ったことが原因のずるい子供の次は、厳しい家庭で育った場合です。
両者は正反対ですね。ズルのタイプも違います。
子供を育てるというのは本当に難しいですね。というより、子供を育てることで自分が試されているのか試練を与えられているような気さえします。
子供を育てることは、自分自身を育てることなんですよね。
さて、厳しい家庭というのはどういう家庭だと思いますか?
毎日2時間も3時間も勉強時間が定められている。
食事のときは背筋を伸ばして食べ、会話することは許されない。
8時には必ず布団に入っていなければならない。
テレビは週に1日しか見られない。ルールが守れなかったり、少しでも粗相するとめちゃくちゃ怒られる。
そんな感じでしょうか?それぞれの家庭にはルールがあると思うので、どこからどこまでが厳しいかと一概には言い切れない部分があります。
また、子供の性格によっては傍から見ると大して厳しくしてなくても、子供にとっては厳しく感じることもあるかと思います。その逆も然り。
ですので、心当たりのある方は自分の子供の性格を考慮して、少し厳しく言い過ぎている部分があるなと思ったら改善していく必要があります。
ルール違反や間違いがあると、大きな声で怒鳴り怒ったり、言葉や態度で子供を追い詰めたり、罰を与えたりというのが厳しい家庭と通常の家庭で違うところですね。
そのルールというのも範囲がとても広く、厳しすぎる家庭では子供がリラックスできない息の詰まる生活をしている可能性もあります。
ずるをするだけならまだいいかもしれません。
後に、物や動物や人に当たったり非行に走るようになってくる可能性もあります。
子供が小学生なら改善することも可能ですが、こういうタイプの子供というのは大人に見えないところでずるをすることが多いので、なかなか大人が気付かないです。
家庭が厳しすぎると、どうしたら親を怒らせないかと考えたり、やっちゃいけないことをしてもバレなければ大丈夫と考えるようになります。
そういう子供のズルというのは、カンニングをしたり、本当はやったことをやってないと言ったり、その逆も。ウソをつく感覚に似ていますね。
この場合のズルの根底は「バレなければいい」です。
先ほど紹介した甘やかしが原因のズルは「自分がよければそれでいい」でしたね。
厳しすぎが原因のズルは「バレなきゃいい」。どちらも自分本位なのには変わりませんが、なんとなく種類が違うのがお分かりでしょうか?
さて、ここで私が体験した厳しい家庭で育った子供のズルい話をご紹介しましょう。
ゲームでズルをする少年
ある子供のイベントでじゃんけん大会を行いました。大人が前でじゃんけんをし、あいこと負けた人は座り最後まで勝ち残った子供がおかしをもらえるという単純なゲームです。
私が端から見ていますと、どうやら動きの怪しい少年がいました。
ロックオンして見ていると、まず手は服の袖を伸ばしてほとんど隠れている状態。
じゃんけんをしてチョキの人が勝ちだったら、その袖の中でゆっくりと指をチョキの形にしましたら、袖から手を勢い良く出して「勝った~!」と喜びます。
コラ~・・・(;゚Д゚)
その次はさせませんでしたけどね。
子供が大勢いるから大人からも気付かれにくいし、他の子はゲームに夢中なので気付かないんですよね。
この少年は私の元々知っている子なのですが、親や先生の見ていないところで自分の都合のいいようにズルする、というようなことをよくします。
実はこの子の親は教師。
この家の詳しいルールは知りませんが、宿題を終わらせないと外に遊びに行けない、テストで80点以下のときは家に入れてもらえないなどのルールがあるそう。
これくらいしか知りませんが、おうちがすこ~し厳しい感じなのかな?という印象は受けますよね。
罰は与えるけど、褒美は与えない。典型的な厳しい家庭です。
その反動なのでしょうか、自分の都合のいいようにルールを変えたり、人をだましたり、見えないところでズルをするなどの行動をよく見ます。自分の非は絶対に認めません。
もちろん、この子はそういう子というだけで、厳しい家庭に育つとみんながこんな風になるわけではありません。
それに、この少年にはいいところももちろんあります。小さい子には優しかったり、誰とでも分け隔てなく接したり。
彼がズルをするときは、「自分のいいところを見せたい!」という気持ちがすごく伝わってきます。
いいことをしないと親から認めてもらえないのかもしれませんね。大人に認めてもらいたいからズルをするという心理でしょうか。
それから、やはり「甘え」の話ももちろん重要です。
多少厳しくても甘えがしっかりできていれば問題ないんです。
できなかったときや都合の悪いことは厳しくはするけど、できたときに褒めたり甘えさせてあげたりもしないと(つまりただ厳しいだけだと)、子供の心もひねくれてくるのです。
どうやって甘えさせればいいのかわからない人は、絵本を読んであげるのもひとつの方法ですよ。絵本というと、小さい子が読むイメージも強いですが、小学生でもすんなり見れる絵本も沢山ありますのでぜひ読んであげてくださいね。
ズルをやめさせるには
まず、そのズルが一時的なものかどうか見極める必要があります。
子供はみんなズルすることはあるので、1度や2度ズルをしたくらいで頭ごなしに叱ってはいけません。そのズルも社会に適応していくのに必要な経験値かもしれません。
ただ、ずるを発見したときは一言注意しましょう。
「ズルしちゃダメ!」では効果ないですよ。そんなことを言ったら子供は次はバレないようにしなきゃと思うだけですから。
「そーゆうことされたらママはやだなー」とか「自分だったらやだよね」とズルしたらどう思われるか、ズルされたらどう思うかを教えてあげてくださいね。
そしてズルが常習化している場合。あんまりにズルがひどい場合は子供と話し合いをするのもひとつの手です。
ただし、ズルしたことを責めるのではなく、ズルが周りや自分にどう影響するか話してみましょう。
「甘やかし」と「厳しすぎ」。
ズルのタイプも違うけど、根底は一緒かもしれません。子供にたっぷり甘えさせて、心のガソリンを満タンにしてあげてください。そして、善悪をはっきり教えてあげることも大切です。
自分だけよければそれでいいなんて世の中は成り立ちませんよね。
自分しかいない世界なら好きなように生きてもらってかまわないけど、この世界は人と人の間で生きる世界なのですから。
ズルをしなくてもいいんだよ。失敗したっていいんだよ。
親が子供の心のセキュアベース(安全基地)となれるように接していればズルをすることも減ってくるでしょう。
ズルをするのは性格のせいではありません。どうしたら幸せな人生を歩けるのか、親と子と一緒になって考えてみましょう。
子供の人生を豊かにするために、親も自分自身を考え直すとともに、親として教えてあげられることをきちんと教えてあげたいですね。
一番大切なことは、人はひとりじゃ生きられないということです。
お役に立てたら幸いです、ではまた♪
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納得です。
子ども側の気持ちを聞き出すのは、なかなか難しいですね。
家族で一生懸命に向き合ったつもりが、さらに追い込むことに繋がったのかもしれません。
パートシュフさん、はじめまして♪コメントありがとうございます。
おっしゃる通り子供の本当の気持ちを聞き出すのは簡単ではありませんね。
私もいつも自分の気持ちと子供の気持ちとの間で葛藤を繰り返しています。
一人の人間として正面から向き合って接したいと思う一方、立派な大人に育て上げたいがために、時には自分の意見を押し付けてしまうこともあります。
どう接するのが子供の未来と幸せのためになるのかをいつも考えています。
子供の心の負担にならないような子育てをしたいものですが、いつもうまく、とはいきませんね。
親も息抜きが必要ということでしょうか^^
はじめまして!
「歩いて帰らない子」を拝読し、少々胸が痛みました。
私は、車で小学校まで子供の送迎をしています。
同じ下校路を歩いて帰る子に「ずるい」と何度も言われ、
そんなに悪いことをしているのかと親子ともども悩んでいるところです。
見た目は分からないと思いますが、
子供は心療内科に通院しています。
パニック発作や過呼吸を起こすこともあり、
頑張り過ぎが続くと嘔吐や下痢など身体的症状もでてきます。
そのため、学校で授業を受けるだけで疲労度が精一杯で、
それ以上の負担をかけて体調が大きく崩れないように車を出しています。
もちろん学校側には伝えてありますが、
誤解を招きやすい病気でもあり
よっぽどの方にしか子供の状態のことを話していません。
つまり言いたいのは、「歩かない子」にもそれぞれの事情がある場合もあります。
切実であるほど、簡単には口にできません。
毎日の送迎の親の負担は軽くはありません。
みんなと同じように学校に歩いていって帰ってきてくれる日がくることを 目標に取り組んでいます、
不快にかんじられましたら申し訳ございません。
ご容赦頂けたらとおもいます。
さよぼんさん、はじめまして^^
コメントありがとうございます。
そうですね、おっしゃる通りですね。
各家庭でそれぞれ事情はあると思います。
この記事を読んだときに、さよぼんも不快に感じたことでしょう。
迎えで登下校することはやっぱりずるいと思われてるんだ、と思われたのだと思います。
毎日大変な気苦労をされていることかと思います。
こちらの記事の中で申しております「歩いて帰らない子」というのは、あくまで「ずるい子」の話の中の例えですので、さよぼん
さんのご家庭の事情にはあたりません。さよぼんさんのお子さんは、ずるい子なわけではないのですから。
それでも、当事者からしてみたら、その部分だけを切り取って納得いかないことがあるのだろうということは理解しました。
でも、子供たちにとっては関係ないのですよね。良くも悪くも素直。子供だから思ったことを言葉に出してしまう。
だから悩んでしまうんですよね。
子供たちが言う「ずるい」というのは「うらやましい」という言葉を含んでいるんだと思います。
本人は決して望んでこうなっているわけではないということを、周りのみんなに伝えられたのなら楽なのだと思いますが、きっと難しいのでしょう。
こんなこと言っても何の気休めにもならないと思いますが、
さよぼんは頑張ってます。胸が苦しいほど子供の体と心を想っています。
誰にも分かってもらえないつらさがあると思います。時には涙を流して悩む日もあると思います。
すべてを投げ出したくなる日だってあると思います。
それでも子供の幸せをやっぱり一番に考えてるのだと思います。
「周りを変えるのは無理。周りを変えたいのなら、一歩ずつでいいからまず自分が変わろうとしなきゃいけない」
私が子供に伝えている言葉のひとつです。
繰り返す日々の中で、明日が今日より一歩でも前に進めることを切に願っています。